第30回(令和6年)あきの螢能 特集

日程:令和6年6月8日(土)



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あらすじ 能楽:三山(みつやま)

古代の妻争い伝説として有名な、万葉集巻一の天智天皇の大和三山の歌、「香具山は畝傍(うねび)ををし(雄々し、または、を惜し)と 耳成(みみなし)と相争ひき 神代よりかくにあるらし 古(いにし)へも然(しか)にあれこそ うつせみも 妻を争ふらしき」を中心に、巻十六の妻争い歌である桜児(さくらこ)伝説歌・縵児(かづらこ)伝説歌を加えて脚色した曲。長く廃曲となっていたが、昭和六十年十二月に復曲された。

平安時代の末、良忍上人が大和盆地の耳成山を訪れたところ、一人の女が現われて大和三山の伝説を語る。香具山に住む膳公成(かしわでのきんなり)は、耳成山の桂子と畝傍山の桜子という二人の女のもとに同時に通っていたが、秋の月のような桂子と春の花のような桜子の二人のうち、はなやかな桜子に心が傾き、桂子のもとには通って来なくなった。これを嘆いた桂子は、池に身を投げたのである。女は自分こそその桂子であるといい池水の底に姿を消してしまった。

                           

(中入
 上人が桂子の亡き跡を弔っていると、嵐の音にまじって桜子の霊が現われ、それを追うように桂子の霊が現われた。桂子の霊は桜子の花のような色香を羨み、やがて手にした桂の枝で桜子の持つ花の枝を打ち散らそうと、「後妻打ち(うわなりうち)」をして妄執を晴らそうとする。しかしやがて一時の恨みも晴れ、朝日の光の中に二人の姿は夢のように消えていった。

あらすじ 狂言:膏薬煉(こうやくねり)

鎌倉の膏薬煉と都の膏薬煉が、互いの評判を聞きつけ、勝負をしようと旅に出ます。途中で出会った二人はさっそく勝負を始めます。最初は自分の膏薬の謂れを自慢しあいます。鎌倉方は走り去る名馬を膏薬で吸い寄せたので「馬吸膏薬」の銘を賜ったと自慢すれば、都の膏薬煉も負けじと、大きな石を吸い寄せたので「石吸膏薬」の銘を賜ったと言い返します。そして、いよいよ吸い比べをすることになります。互いに鼻の先に膏薬をつけて吸い寄せますが・・・

膏薬とは紙に伸ばして貼る湿布薬のようなものです。昔は痛みを吸い出すと考えられていました。そのため、膏薬の効き目はその吸う力の強弱によって評価されました。互いの膏薬の吸引力を競い合う作品ですが、実は巧みに源平合戦のパロディーになっています。